2008年11月12日水曜日

聖女の救済

書くことが無いので通勤時間によんだ本の書評の真似事でもしてみよう。


今日の本:聖女の救済(東野圭吾/文藝春秋)

『恐らく君たちは負ける。僕も勝てない。これは完全犯罪だ』

TVドラマにもなったガリレオシリーズの長編最新刊。
圧倒的なのは最後に明かされる狂気との狭間の心理描写。
『殺人者は冷静に狂っている』――理論立てて、理解できるからこそ恐ろしい。
そして"犯人"に肩入れしてしまう草薙と女性ゆえの視点から"犯人"を疑う内海。
そこにどこまでも科学者である湯川の中立が混ざり、良いバランスを保っている。

この人は同シリーズ『容疑者Xの献身』といい、トリックの根本となる"発想の転換"が素晴らしい。
まさに目から鱗、瓢箪から駒。
(トリックは……というか話のメインギミックは分かりやすいほど力強くその衝撃も大きいですからねー)

なおシリーズに手を出したことが無いという人は、文庫版『探偵ガリレオ』、『予知夢』からどうぞ。
短編集はTV版(個人的には良い意味で2時間ドラマ臭がするw)、長編は劇場版の雰囲気を持っていてどれもオススメ。

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